【ミニバスケ時代の娘の同級生】
(2012年12月9日 団長日記)
 
随分と久しぶりに日記みたいなものを書きたくなった。
 
昨夜、とても嬉しいことがあった。
現在中学3年生の娘の同級生の一人と、地元小学校の体育館にて再会。
そこは、ミニバスケ出身の中高生や保護者もバスケさせて頂けるように、土曜の夜に開放頂いている。
 
その…娘の同級生…彼女がバスケを始めたのは、小学5年生の途中から。
まあ、プレースタイルは女性に対する表現では失礼ながら…とにかく…「野生児」
「個性的」という表現もあるが、卒業するまでオンタイムのプレースタイルは、暴走列車のようにボールを持ったらリングまで止まらない勢いで、ほとんどのシュートが「が~ん」って感じ。

特定保健用食品…略して「特保」のマークってどこかでよく見たフォルムやなと思ってたんやけど…彼女のドリブルシュート・ランニングシュート・ジャンプシュート…すべてが特保のマークみたいな感じのフィニッシュ。
体はのけ反ったまま、力任せに突っ込んでいく…(だからボールがシュートは決まりにくい…)
 
荒削りな感じは…漫画「スラムダンク」の桜木花道がバスケを始めたころの雰囲気そのまんま。したがって、リバウンドは強い…それは強いのだが…その直後のシュートとパスの結果は…ほとんどが「相手チームにボールをプレゼント」が多い。
 
しかし、彼女の最大の魅力は、豪快なプレースタイルそのままの性格…つまり、チームメイトを明るくするキャラクター性だ。
とにかく!…おおらかで明るい!そして、チーム一番の友達想い。
そんな彼女だから、「そんなムチャクチャなシュート、こんな大事な場面で…!」と思った時に、ミラクルなシュートを決めてくると、ベンチも応援席も大いに盛り上がった。
期待していないだけに決まれば盛り上がると言えばそれまでだが(^_^;)…それでも、負けず嫌いない彼女は、ミニバス卒業時のフリースローはとてもキレイになり、その成功率だけは随分と計算にいれることはできるようになっていった。
 
こんなムードメーカーの子でも、6年生の夏くらいには、一度バスケを辞めようと考えたことがあるらしい。「もっと試合に出たいけど、1Qだけしか試合に出られなくてつまらない…。」…まだまだ幼い12歳…ふて腐れるのは無理もない。
しかし、彼女の卒業作文では、感慨深いことを書いていた記憶がある。
「私は、最後までバスケをやって、本当に良かった。辞めたくなった時、説得してくれた仲間のために、最後までやりぬきたいと思った。」
本当にバスケ好きやったということ、本当に友達想いだったということ…それがしみじみ伝わる作文を読んで、関係者も随分と感動していた。
 
そして…その子は地元の中学校へ進学。
娘は、バスケで市外の中学に進学したため、その子の中学での様子は、地元での風の便りかでしか聞けなかったが…中学入学早々に聞いたのが、まずは彼女が入部した部活動。
 
「柔道部に入部。」
 
残念ながら、地元校区の中学には、当時女子バスケ部がなかった。
ミニバスケをやっていた子は、陸上部、バレーボール部、水泳部などバスケとは違う道に進むのは想像できたが…その子が選んだのは「柔道部」
 
そして、その子が柔道部を選んだ理由を聞いて、感心した。
 
「うちはな…めっちゃ勉強でけへんし…家にもお金に余裕はないし…高校にはスポーツ推薦で特待生になりたいねん。」
 
その子は三姉妹の次女で…確かにご家庭の諸事情からか、経済的な負担を軽くしたいと、小学生時代から言っていたしっかりとしていた子だった。
そして…勉強は…本当に…。
一番笑った…いや、笑ったらアカンけど…いつだったか先日、「学校の定期試験で、全教科平均が“5”点(もちろん100点満点)という快挙も成し遂げた」と、街の噂にまでなるツワモノ…。
でも、常に「明るい性格」「実は責任感が人一倍強い」「とにかく友達想い」という枕詞も、噂話には必ずついてきていたから…勉強できなくても「エエ子や…」と大人の笑顔を誘っていた。
 
そして!
この夏に飛び込んできた彼女に関するニュース!

 
「中学から始めた柔道で…府大会進出の快挙!」

 

しかも、小学校の時から柔道大会で優秀な成績をおさめていた子に勝っての進出とか…。
これは、ミニバスケ監督も随分と喜んでおられた。
「あの子は、勉強は苦手やけど、あれだけの友達想いで、あれだけの頑張り屋さんなら、それはそれでエエやなか!素晴らしい子や!」と絶賛。
その柔道の試合は観ていないが…想像するに…
相変わらずの野生児ぶりが4割…心の強さが3割…あとの3割は…「明るいノリ」…これがバランスよく出ていたんやろう…。
このバランスがイイ時の彼女は、周りを驚かかす「笑顔パワー」がいつも出る。
 
そして…昨夜…。
 
随分と久しぶりに、娘たち同級生が集まって、ミニバス後輩達の練習相手に…。
まあ、その子のバスケは、相変わらずハチャメチャ(^_^;)
でも、徐々に馴染んでくると、良いパスをもらってランニングシュートを決めたりして楽しんでいたのだが…そう言えばと思い出し、高校進路のことについて帰り際に聞いてみた。
 
「おっちゃん!うちなぁ…高校進学決まってん!…柔道で推薦もらえた!」
 
これ…嬉しすぎるやろ…。
おれも我が子のことのように喜ぶよ。
この話を家に帰って伝えたカミさんも超感激!!
「良かったぁ~っ!!!」
 
昨夜は厳冬の体育館で、震えながらミニバス男子対OGのゲームを観戦してたんやけど…彼女のおかげで、一気に心が温かくなったよ。
帰り際、その子の頭をぐりぐりして、褒めてあげた。
 
でね…。
 
別れ際にその子らしい発言があった。
 
「おっちゃん、うち高校に行けるの嬉しいねん…!それでさぁ…、高校入ったら、うちホンマは…バスケやりたい!」
 
…へ?
 
おいおい…あなたが推薦頂いたのは…柔道でしょ??
 
でもまあ、この彼女のコメントをミニバスケご指導者が知れば、きっと感慨深く思われると思う。
「やっぱりバスケが好き」って…指導者冥利に尽きるんとちゃうやろか…。
高校入っても柔道で頑張ることは間違いないはずだが…そこまで仲間とのバスケが好きになっていたって改めて知って、おれも本当に嬉しかったよ。
 
もちろん、今でもうちの娘はその友達が、大好きだ。
 
バスケで「心」が育まれる地域の子…もっとたくさん出てこいっ!!

 

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