【小遣い値上げプレゼン】
<2007年04月02日団長日記より>
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4月1日、新年度の始まり。娘は小学4年生になる。
「4年生になったから…お小遣い増えるんやろ?」と切り出してきた。
 
これまでは、学年×100円として毎年自動決定していたが、今年度からは本人に値上げ交渉をさせることにした。
理由は何だって良い。
正解なんてないし、いかに「小遣いを多くあげたくなる気にさせるか」という工夫・努力があれば良い。
 
<1回目の説得>
 
「4年生だから400円にしてよ。」⇒全く説明になっていないことは本人も解っているようなので、却下。
 
<2回目の説得>
  
「今年から“ちゃお”(月間漫画)を買うのを止めるから、小遣い上げて」
それに対し…
「買うものがなくなるなら、小遣い要らんやん。せやし、今年から値下げすんぞ…」というおれの返しを受け、本人から取り下げ。
 
どうやら本人は「漫画を卒業するなんて、偉いと思わへん?エライ子にはお小遣いを値上げしてみよー」という意図だったらしい。
しかし「エライから小遣いあげる」なんていう幼稚園レベルではダメなことは言ってみた本人が気付いたらしい…
 
<3回目の説得>
 
「私は文章読解力が足りないから、これから漫画じゃなくて、2ヶ月に一度くらい出ているシリーズの(子供向け)小説の本を買いたいねん…」
(お?それなりの理由が出来てきた)
「それで?その本はいくら位するん?」
「800円するねん…」
(っとなると、月400円の小遣いを2ヶ月貯めると買えるわけか…うんうん、なんとなく理由ができてきたやんか…)
「だから私…、今までと一緒の毎月300円でエエわ…。3ヶ月貯めて買うし…。」
 
って、おい!
慈悲に訴えかけてるんか、こいつ…引いて押す戦略とは…こしゃくな…。
 
 
このままじゃ、イヤらしい一面しか出てこなくなるし…少し助け舟を出した。
 
「小遣いを上げてもらいたい理由は、何でもエエねん。3回目の説得で、結構エエとこまで来たやんか…。いかに相手に小遣いを上げてやらなアカンなって気持ちにさせるか、上手く計算して、訴えかけてみろや~」
 
少しだけ…ほんの少しだけ娘が考えた。
上を向いている時は、計算している時だっけ…。
  
<4回目の説得>
 
合掌しながら目をキラキラさせて言い放つ
「父ちゃんっ!!!あだじに…がねをぐれぇ~!」
 
…お前、いったい何の計算してたんや。。。
最後は浪花節かいっ!!
 
2ヶ月ごとに800円の小説を買うなら、1ヶ月400円。
今の小遣いに100円だけ載せてくれるだけで、好きな小説が読める。
だから今年から100円の値上げをしてくれるとありがたい。
そんな感じで言えばエエやんかと説明してみた。
 
すると…
 
「せやけど、もしその説明をしたとしても、父ちゃんのことやから、“その本、家の隣にある図書館で借りてきたらエエやんけ!”って突き放されそうと思ってん…。そうなったら何を言っても父ちゃんの言うことには勝てそうも無い気がしてきたから…とにかく“お金が欲しい”って言ってみてん。」
 
なんか…それなりに思考をめぐらせた努力はあります。
その思考背景によるストレートな値上げ要求には説得力があったりして…今年度は毎月400円のお小遣いとなりました。
 
 
来年のこの時期には、進化した説得を待ってるで…

そこにある親の想い

結局ね、親の思いとしてみれば…「ただでお金がもらえる」という錯覚を取り除きたいんよね。

プレゼンテーションはヘタクソでもなんでも良い。

 

小学生としては、ひと様に喜んでいただいて、その対価としておカネを稼ぐことができる立場でない。

ひと様に喜んで頂いておカネを得る事ができないのであれば…

まずは、人の心を動かすためにはどうすれば良いかを必死に考える訓練をすればイイ

 

それが、媚びるとかねだるとかではなく、どうすれば相手の心が動くかの訓練。

その先に、ヒトの気持ちを考えたり、自分に足りないものが何かを感じ取ればイイ。

プレゼンなんて、ヘタクソでもなんでもイイんです。

 

とにかく…やり切る!…その癖をつけてほしい。

 

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とりあえず…


この年を皮切りに、毎年4月1日は、我が家のダイニングテーブルは、娘の値上げ交渉プレゼンテーションの場になっている。
内容はともかく、「やり切った感」は年々上達し、自然とプレゼン能力は上がる。
中学3年生の時のプレゼン内容なんかは…ちょっとしたたかさも生れて、やられた感がある。
 
そして何よりも…苦労して獲得したおこづかい…とにかく丁寧に使うようになった。
 
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